About us
Designer/ Artisan 田外 桂子
Keiko Tagai は、衰退する着物産業の持続的発展を心より願い、新たな着物スタイルのグローバル化を目指しています。
【古物商許可証 第631312300035号】
- Our Story -
Q. 着物でハットづくりを始めたきっかけは?
A. もともと、私は主にフルオーダードレスのテーラーを約12年しています。
図書館へ行った時にたまたま着物市場縮小・後継者不足についての記事を目にしました。
最初はただの好奇心で調べていただけだったのですが、着物市場は、1980年代の1兆8000億円をピークに、現在は2700億円ほどと、約6分の1にまで縮小していて、その背景には着物離れや3K問題 (着付け・価格・着用機会がない) があったり、さらには毎年大量の着物が廃棄されていることなど、着物業界の現状を知りました。
もしかしたら、私にも何かできることがあるかもしれないと思って、いろいろくわしく調べていくうちに、着物を楽しんでもらいたい着物生産者さんと私たち消費者をなんとかつなぐことはできないか、と考えるようになりました。
その両者をつなぐためにできることは何か、私たちの生活の中に着物をどのようにして取り入れるか、国内外の人たちが着物を楽しむためにできることは何かを考えて生まれたのが、KIMONO HAT コレクションのアイテムです。
** ついに今年、着物を洋服に生まれかわらせます。最新作を楽しみにしていてください。(2023,04,17 更新)
Q. ハットは、ご自身が制作しているのですか?
A. はい。パターン作成、裁断、型入れ、縫製まですべて手作業で丁寧に制作しています。
当初は、ハットづくりの知識も経験もありませんでしたので、国内工場で生産する計画でしたが、布帛帽子 (バケット、ベレー、キャップなど布製の帽子) の場合はどこでもお請けいただけるのですが、型物帽子 (ボーター、中折れ、シルクハットなど、型を使用してつくる帽子) の場合は、とても手間がかかり職人さんの負担も大きいこともあり、制作が難しいなどの理由で断られて、お請けいただける工場がありませんでした。
そこで、私はできるかどうかわからないけどやるしかないと思い、独学で約一年間修業しました。
当初は、いろんな人から「着物でハットを創る? 世界に挑戦するとか無理に決まってるだろ。もっとまわりを見ろよ。」などいろいろ言われて、随分と悔しい思いをしましたが、挑戦する前から諦めていたら何も始まらないですし、何事も可能性はゼロではないと思っているので、寝食を忘れて型物の帽子づくりに没頭しました。
そして現在では、国内外のお客様から応援いただいて、世界中のお客様へお届けしています。
** フォロワー様には逸早くご報告しましたが、ようやくご協力いただける国内工場も見つかりましたので、今後はアイテムによって、工場生産のものと私が制作したものでの展開となります。(2022,07,07 更新)
Q. 日本製にこだわる理由は何ですか?
A. 国内アパレルにおいて、大手企業や中小ブランドが海外生産をする一方で、国内工場の相次ぐ閉鎖により、高い技術と経験をもつ職人さんが仕事を失っています。
技術や経験は財産だと思っているので、それってすごくもったいないですし、私もモノをつくる者の一人として悔しさも感じます。
そのためKeiko Tagaiでは、かねてより国内生産しており、すべての商品が日本製です。
日本独自のテキスタイル (着物) を使用して、ものづくりに情熱を注ぐ国内の職人さんの手によってつくり上げたプロダクトをとおして、日本の伝統とものづくり文化の素晴らしさや魅力を後世へ、世界へと伝えていきたいと思います。
- デザイナーより一言 -
私自身、着物を着たことがない人たちの中の一人です。着物を洋服として着ることはあっても、着付けをして着たことが一度もなく、着物を着ることを楽しみにしていた成人式も訳あって着れず、ものすごく落ち込んで成人式にも行かなかったほどですから、着物への憧れが人一倍強くあります。
着物を着たくても着れないというのは、とても悲しい気持ちです。
洋服が主流となり、着物離れする忙しい現代人の日常に、着物を着物として届けるのは難しいことかもしれませんが、着物好きな人はもちろんのこと、着物を着たくてもさまざまな理由で着れない人、まだ着物に触れたことのない人、さらには、着物にあまり関心のない人も含めて、どんな人たちでも日本の伝統文化を楽しめるものを届けたくて、日々帽子づくりをしています。
着物を使用するにあたり、着物の歴史や製造工程、模様などいろいろと学んでいく中で、私は日本人でありながらも、着物について知っているようで何も知らなかったことにとても驚きました。
そして、日本には、こんなに素晴らしい宝物があることに気付くことができました。
着物でつくりあげたプロダクトを通して、日本の美と伝統文化を感じていただき、そして10年20年先に「着物を着てみようかな」と思っていただくこと、それが私の夢であります。
引き続き、着物の可能性を表現した新たなスタイルをつくることで着物産業に貢献するとともに、日本の宝を世界と共有し、世界の一人でも多くの人たちに日本の美と伝統文化を楽しんでいただけるよう、全力を尽くしてまいります。
Profile
1997年 |
婦人服のパターン、デザイン制作する |
2011年 |
テーラー (フルオーダー婦人服全般) |
2012年 |
テーラー (フルオーダードレス) |
2018年 |
帽子制作修業期間 |
2019年 |
海外展開 |
- メディア紹介情報 -
■ロシア国営通信社「Sputnik」にて紹介されました (2021/2/16)
インタビューでは、着物を使用するに至った経緯やスタイリングなどいろいろとお話しさせていただきました。
https://jp.sputniknews.com/opinion/202102168158712/
■「Tokyo Weekender」にて紹介されました (2020/11/19)
日本最古の外国人向け英語情報メディア「Tokyo Weekender」にて紹介されました。
https://www.tokyoweekender.com/2020/11/7-japan-based-brands-that-are-redefining-vintage-kimono/
■「SoreNews24」にて紹介されました (2020/11/5)
「日本のファッションブランドKeiko Tagaiが、美しい古着物をスタイリッシュな帽子に変える」とのコンテンツで紹介されました。
https://soranews24.com/2020/11/05/japanese-fashion-brand-keiko-tagai-turns-beautiful-old-kimono-into-stylish-hats/